ルッキング採集(樹液酒場)

今回は『樹液酒場』の様子を見に千歳市にやってきました
この森には、かなりの数の『樹液酒場』があるのでワンパクはよく訪れます
『樹液酒場』とは、自然に樹液が染み出し発酵し、たくさんの昆虫たちがこの樹液を舐めに来て賑わっている様子が、酒場のようであることからそう呼ばれています
クワガタだけでなく、スズメバチや蝶や蛾、カナブンなども集まってきます
毎年採集の成果が上がる樹液酒場や、オオクワガタが毎年住処にする木を『御神木(ごしんぼく)』と呼んだりもします
この森の実績は、オオクワ・ミヤマ・ノコ・コクワ・アカアシ・スジ・オニで、特にスジクワガタの極大歯型の実績がすごく、コクワサイズのスジクワガタが採集できます
この日の現地の最高気温は32度で、新月、無風、最高のコンディション!
午後六時を回って少し気温が落ちたところで採集を開始するため、ワンパクは家を当日の午前10時に出発
高速道路を使わずに、国道274号線をひたすら行き、日勝峠を越え樹海ロードを越えます
高速道路はつまらないので、ワンパクは極力使いません
480㎞を八時間かけて千歳市に到着し、早速クワガタ採集へ!
おっ!立派なカタツムリです
カタツムリはほぼ100%寄生虫に寄生されているので、触ったら必ず手を洗いましょう
食べる場合は、必ずよく火を通してください
寄生虫についてはとても面白い世界なので、近いうちに記事をアップしますね
クワガタ採集をしていると、『あっ!いた!』と一度は必ず勘違いさせられる甲虫【キマワリ】

オサムシやカミキリムシもお出迎え
カマドウマの仲間の【モリミズウマ】
通称『便所コオロギ』
クワガタ採集には必ず付き物の昆虫です
【ヘビトンボ】
『孫太郎虫』の名前で漢方薬としても使われる昆虫
ヘビでもトンボでもなく、独特のフォルムはおそらく恐竜時代から姿を変えていないであろう太古の昆虫のような趣き
囓られるととても痛いので注意
この日もなかなかクワガタに出逢えません
コンディションはベストだったはずなのですが、採集場所の状態から察すると、ワンパクが到着する直前までかなり強く雨が降っていたようです
こうなると、クワガタたちは給餌のための移動はせず、樹液酒場の発酵臭も消されてしまいます
【シデムシ】の幼虫が獲物を食べています
【ムネアカオオアリ】が獲物に群がっていますね
【ドクベニタケ】
いままでのアウトドア生活においてキノコ採取は避けてきましたが、今年から始めようと思います
樹液酒場を探せ!!
『樹液酒場』はこんな木の根元にもあったりします
少し土や葉っぱをほじくり返しただけでクワガタがゴロゴロ出てくるなんてことも珍しくありません
まずは『樹液酒場』を臭いで探します
結構離れたところからでも匂うので、一度この臭いを覚えたら、簡単に『樹液酒場』を見つけることもでき、クワガタ採集も成果が上がるようになります
臭いの感じ方は人それぞれですが、ワンパクに『どんな臭い』か問われれば、『下痢ウ〇チが発酵して少し酸っぱい感じ(ヨーグルト系)』と答えます
『古い牛乳を飲んで腹を壊したときのウ〇チの臭い』とでも言いましょうか
ただこの日は雨で臭いも流されたようで、酒場にはお客様が一人もいらっしゃいませんでした
他のいくつか酒場も同じように閑古鳥です
スジクワガタ

やっといました!
スジクワガタの中歯型オスです
このクワガタは飛ぶことができません(飛ぶ姿が確認されていない)
あれ?片方の大顎に欠損があります
スジクワガタは体は小さいですが、日本のクワガタで一番気性が荒い種類です
もしかしたらこの大顎の欠損は、闘いの古傷かもしれません
ドルクス属で、寿命は自然界で2~3年・飼育下では3~4年ですが、飼育には向いていません
気性が荒すぎるので、ペアリングはできません
オスとメスを一緒に飼育ケースに入れたら、次の日には、かなりの確率で、オスの脚全てもがれてダルマ状態になっているか、メスの頭が体から離れているかしています
また、どうしても産卵させてブリードしたい場合は、メスだけ採集して大きな飼育ケースにたくさんの産卵木を入れて、たくさんのメスを投入すれば効率的で成功率も上がりますが、それもオススメしません
なぜなら森の『樹液酒場』を作っているのはこのスジクワガタだからです
このクワガタがいなければ他のクワガタもワンパクも困ってしまいます
なので今回はリリースします☆
ワンパクが過去に同じ場所で採集した極大歯型スジクワガタの標本(形成段階)
画像の『WD』は、野生種(ブリードではない)ことを意味しています
クワガタの違い

【スジクワガタ】ドルクス属
大顎の中央に台形の内歯があり、極大歯型には先端にも突起がみられる
小さな個体には台形の内歯はなく、大顎中央が少し膨らむ程度(小型コクワガタと似る)
また名前のとおり、背中にはスジが入るが、大型個体にはそれがなくなる

【コクワガタ】ドルクス属
内歯の中央に1つ歯があり、大歯型以上には大顎の先端に突起がみられる
手足が他のクワガタよりも短く、平たい体つき
丈夫で、飼育しやすく、ブリード個体では55㎜を超えるものを作出できる
初めてブリードに挑戦する方にはオススメの種類ですよ
オオクワガタの近縁種で、自然界でも【オオコクワガタ】と呼ばれるハイブリッドがいる

【アカアシクワガタ】ドルクス属
大顎の内歯が0~4本あり、体の大きさによって変化する
名前のとおり脚が赤いのが特徴
灯下採集などで地面を歩いているよりも、壁や木を上っていることが多い
冷涼な気候を好み、北海道では普通種
画像のアカアシクワガタはワンパクが採集してから3年も生きていました
採集したときから前脚が欠損していたのですが、他のクワガタと一緒に飼育できないほどの気性が荒らさからティラノサウルス=レックスにあやかり『レックス』と名付けていたクワガタです
旅のこぼれ話


樹海ロードを過ぎると、町営穂別キャンプ場があります
道内のキャンプ場は100カ所以上行ったことはありますが、ここのキャンプ場はその中でもワンパクが大好きなキャンプ場です
場内を流れる川で釣り(ヤマメ)や川遊びもでき、サイトの奥に行けば原生の森が広がります
この日は土曜日ということもあり、大変賑わっていました
またさらにサイトを拡張したようです
ファミリー向けのキャンプ場で、オートキャンプもできますよ
ワンパクが札幌在住の頃にはよく妻と来ていました
このキャンプ場はペットの入場が禁止されているので、最近は来ていませんでしたが相変わらず手入れの行き届いた素敵なキャンプ場でしたよ
?
画像の掲載はしませんが、先般の地震災害による甚大な被害があった厚真町にも行ってきました
ここにはよくクワガタの採集に来ていましたが、実際に訪問してみて言葉になりませんでした
被害に遭われた方にお悔やみ申し上げます
今回の旅は、道東~日勝峠~樹海ロード~千歳市~札幌~厚真町~新日高~浦河~天馬街道~大樹町~浦幌町~道東で、一泊二日走行距離1040㎞のクワガタの旅でした